コンサルはドライな世界なので精神病などで体を壊した人に厳しいですが、ドライな分、公務員等他業界に比べて昇進への影響が少ないという利点もあります。休職の取得のしやすさ、周りの理解、昇進等について説明していきます
公務員の精神病事情
私の前職は国家公務員です。
霞が関も、外資コンサルに負けず劣らず残業が多いです。
純粋な残業時間だけなら霞が関の方が上かもしれませんね。
そんなこともあり、公務員時代は精神病で休職中の方が大勢いました。
なんなら、首になりにくく精神病に優しい組織なので、モラルハザードも発生しており元精神病罹患者はかなりいました。
まずは、公務員の精神病に対する扱いについて説明します
公務員の精神病罹患者に対する良いところ
・休職が最大3年間程度可能
・休職を繰り返すことができる
・休職を繰り返してもクビにならない
・職場復旧後のリハビリプログラム等
公務員は、精神病で休職しても、一定期間は給料が出続け、
給料の支給がなくなっても、精神病を理由に会社を休み続けることが可能です。
自治体にもよりけりですが、だいたい一回の休職でMAX3年ぐらいお休み可能です。
3年半以上はお休みできないので、一回復帰する必要がありますが、
一定期間以上働き続ければ再度休職可能というシステムとなっています。
復帰した後も、最大限のケアをしてもらえます。
最初は、
少ない労働時間で、周りと余り関わらない仕事やストレスが掛かりにくい単純作業等からスタートして徐々に職場復帰を果たすプログラムがしっかりと用意されています。
このように、公務員は精神病に対して非常に優しいのです。
もちろん、永遠に休職し続けることはできないため、目に余るほど休職が多い職員には人事評価を下げて無理やり退職させてしまうこともあります。
分限処分って言います。
私の周りに一人だけ、強制退職させられた人がいました、
公務員の精神病罹患者に対する悪いところ
ただ、精神病に優しいと言っても、一度精神病になったり、体を壊して休職すると後々の昇進が難しくなります。
昇進が難しくなる理由は、
減点主義の世界のため、一度失敗すると挽回できない
精神病が再発しないように難しい仕事はやらせないため、人事評価で良い評価をもらえない
昇進により仕事環境の変化で精神病の再発を恐れている等
以上、公務員では、精神病になった人を保護しつつも再発等の事故が起きることを避ける保護主義の傾向があるため挽回の機会を与えてくれないという問題があります
コンサルの精神病事情
一方、本題のコンサルはどうでしょうか。
一昔前の外資系はUp or Outといって、昇進できなければクビと言われたりしていました。
実際に、外資系純戦略コンサルは今もUp or Outですね。
Big4等の総合コンサルティングファームでは、Up or Stayといって、昇進できなくてもクビにはならず留まることができるのが一般的です。
ただ、昇進できない人イコール仕事ができない人なので、
アサインがなくなる
業務時間中にやることがなくなる
人事評価が最低になり
居場所がなくなり、、、
転職することになるのが普通です。
ただ、自主退職まで追い込まれるのは仕事ができないのに努力もしていない人だけです。
努力を続けている人を退職に追い込むほど不寛容なチームはあまりないと思います。
では、激務で体調崩したり精神病になった場合の扱いはどうでしょうか
近年は休職に対して寛容になってきた
コンサルのうつ病率は想像通り結構高いです。
私のチームは、最近売り上げがうなぎ上りで、人手不足なこともあり過酷な環境となっています。
そんのため、30人程度のチーム内だけでも半年に一人ぐらいの割合で精神病でお休みに入る方が後を絶ちません。
私がコンサルで働き始めたころは、休職という制度はあっても利用するという概念がなかったため、病気になるほど追い詰められた場合は転職という選択肢がメインでした。
ただ最近は、以下のようなことから働きすぎで潰れた人が転職したりクビにならないようになってきました。
1.Up or Stay文化の浸透
2.働き方改革・ワークライフバランスの意識からの従業員保護
3.精神病病が社会的に認められてきている(公表しやすい社会環境)
4.人手不足のため、経験者に辞められると困る
上記のうち、4の影響が一番大きいように感じます。
精神病の人にやさしくしたいわけではなく、精神病だろうと、戦力として使えるのであれば使いたいということだと思います。
辞められるよりかは、一旦休職に入って元気になってから労働力として再度利用したいという思いが強いのではないでしょうか。
新たに外から人を採ってくるよりチーム事情を熟知した既知の従業員のほうが確実ですからね。
こういったことから精神病になった人は転職せずに、1,2ヶ月程度の休職に入るパターンが多いです。
公務員のように年単位で休職している人は見たことがありません。
数か月のお休みのあと、以前より少ないアサインにより業務をスタートします。
このパターンの事例が複数発生したこともあり、私のチームでは精神病になると休職する方の事例が増えてきています
復職後の周りの理解について
公務員の場合は、復職後は周りとは隔離されて超単純作業からスタートするなど、周りと区別されてしまうため居づらさを感じることが往々にしてあります。
一方で、コンサルではこのようなことがなく、また周りも休職した経験がある人が多く、公務員と比較して復職者に対して暖かく迎え入れてくれます。
これまで通り接するため復職後に居づらさを感じることは少ないです
休職者のプロモーション(昇進)事情
一度休職などすると、その後の人事評価が怖いですよね。
実はあまりその辺の評価への影響は、公務員に比べて薄いです。
コンサルの人事評価は次のような点で評価されることが多いです。
1.勤務態度ではなく売上が重要
2.過去の評価結果ではなく今のパフォーマンスが重要
3.在籍期間が少ない従業員が多く、過去の病歴が不明
コンサルで重要なのはあくまでも評価対象期間の売上です。
売上さえ立てておけばよいのです。
もちろん、休職中は売上がないので、その分評価は下がりますが、休職歴を理由に評価が悪くなることはあまりありません。
そのため、復帰後、確り結果を残し続ければちゃんと昇進も可能です。
コンサルは公務員のように、過去の人事評価の結果を考慮した長期的な目線に基づいて昇進を決定するのではなく、
現在のパフォーマンスが昇進後のロールに届いているかという点で評価をする傾向が強いため、過去の評価結果が足を引っ張る可能性は相対的に低いです。
そもそも、コンサル業界は流動性が高く、在籍期間が短い人が多いです。
そのため、過去に精神病を理由に入社してきている人がいたとしても把握はできません。
そういった点からも、精神病が昇進に及ぼす影響は少ないのかもしれないですね。
ドライなコンサルだからこそ、休職歴があっても人事評価への影響が少ないのです
復職者の業務内容、転職状況について
復職後は、激務・炎上PJTにはアサインされないのですが、
精神病のトリガーにもなっている人手不足という根本原因が解消されているわけではないので、
次第に労働時間が伸びていき、以前のような労働環境に戻ってしまっているのが実情です。
この辺も、公務員のように従業員を守りきるという意識はなく、厳しい世界です。
そのため、以前よりかは精神病に寛容になってきていますが、
再発し再度病休に入ったり辞めてしまう人がいるのも現実です。
また、上述のとおり今の環境において精神病を患ってしまっているため、復職後に転職してしまう人が多いです。
人によっては、休職中に転職活動を実施して、復職と同時に転職することもあります。
こういったことは仕方がないことで、これを責める人もいません
精神病を避けるために
最後に、皆川が心の安定を保つために実施していること、皆様にお勧めできることの2点をお伝えします。
1.私が心の安定を保つために実施していること
自分は生活の中で仕事のプライオリティをかなり下げています。
人生の一番の時間を捧げているものだから、せっかくならこれにすべてを注いで、全力で尽くす必要があることは理解していますが、仕事は人間関係含めて難しいことが多く、真面目に向き合ってもうまくいかないことも多いです。
失敗したくないし、疲れるの嫌だから、自分は仕事で手を抜くし、上も目指さないようにしています。
こういった考え方が世の中一般的に批判されているのは知っていますが、私はこういう人間です。
仕事が嫌だから、朝活や動画作成に逃げています。
2.皆様にお勧めできること
上述の私の考え方は、誰にでも当てはまるものではないですし押し付けるものでもありません。
そんな自分がいえる大事なことは、悩みがある方は気軽にクリニックに言って先生と話してみてください。
クリニックの先生はプロですから、人それぞれに合った心との向き合い方を教えてくれます。
稀にはずれの先生もいます。心の病でクリニックに通うのですから、少しでも先生と合わないと感じたら直ぐに他のクリニックに変えましょう。
重い症状になる前なら漢方等副作用の少ないものもあります。
また、クリニックにいって相談するだけでなく、カウンセリングといって、先生と話すことがメインのやり方も存在しています。
※カウンセリングは公的な安いモノもあります。
辛いと感じてる方は、カフェに行くぐらい気軽な気持ちでクリニックに行ってほしいです
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