Big4コンサルと日系大企業の生涯年収を手取りベースで比較しました。退職金、税金や保険料等もろもろ考慮に入れて寿命を迎えるまでの生涯年収ベースです!
導入
日本の大企業とコンサルの生涯年収比較です。
コンサルの年収は20代で1千万円いって、30代で1500万円いくなどとの話がネットで流れております。
一方で、日本の大企業は40代課長でやっと1千万円で、通常は1千万円いかない人が多いとか。
ただし、大企業には住宅補助、確定給付年金等各種福利厚生があるというメリットがあります。
実際、どちらの生涯年収が高いのか気になっている人は多いのではないでしょうか?
そこで、今回は、大企業サラリーマンとコンサル(Big4)の生涯年収を比較してみます。
当記事のポイントは、寿命を迎えるまでの生涯年収比較を行っているところです。
そのため、定年後の年金まで計算しております。
さらに、保険・税金も計算に入れた手取りも考慮に入れております。
生涯年収の比較結果概要
比較は次の4パターンで実施しました。
パターン①:大企業総合職平均(平均年収897万円)
パターン②:大企業総合職金融・商社等(平均年収1,211万円)
パターン③:事業会社から28歳でコンサルに転職(平均年収1,300万円)
パターン④:新卒から定年までBig4(平均年収1.700万円)
最初に比較結果をお見せします
想定通りパターン④の新卒からコンサルで勤め上げる場合が一番ですね。
パターン①の大企業総合職は最下位という結果です。
こちらは家賃補助や残業等もある程度加味しているのですが残念な結果です。
それでは、比較結果の詳細を説明していきます。
まず、今回の比較パターンの説明です
比較4パターンの詳細説明
パターン①:大企業総合職平均(平均年収897万円)
まず、比較するにあたって、当ブログのメイン読者が一般事業会社からコンサルへ転職を検討している方なので、読者の多くが現在大企業総合職で働いていると仮定しています。
大企業総合職の年収データは、中央労働委員会のデータを利用しています。
世のサラリーマンの平均年収等は各種統計があるのですが、
中央労働委員会のデータだと加工が必要ですが、大卒・男性・総合職のデータを引っ張ってこれるのです。
さらに、平均残業代等の統計もあります。
引用:中央労働委員会HP
<大企業サラリーマンの定義>
中央労働委員会の統計は資本金5億以上で従業員1000人以上の会社としていますので、
この記事で言う大企業サラリーマンとは次になります。
・資本金5億以上かつ従業員1000人以上の会社
・大卒男性かつ総合職
大企業サラリーマンの基本データは次のとおりです。
・平均基本給47万円、平均残業代7万円で平均月収54万。
・ボーナスは平均5.4か月分で平均249万円です。
・年収にすると897万円です。
なお、各種手当も考慮されております。
以外に高くないですか?
他の統計だと一般職のデータが入っていたり残業代が入っていなかったりと少なめな数字が出るのですが、実際のところは思っていた以上に高いようです
パターン②:大企業総合職金融・商社等(平均年収1,211万円)
パターン②は、大企業のうち比較的高級な金融や商社の平均値を持ってきています。
ちなみに、総合商社の総合職平均年収は1500万を超えていますが、比較対象のコンサルが戦略ファームでなく総合系のBig4なので、総合商社と比較すべきでないと判断し、総合商社だけでなく、専門商社、金融等も含めた比較的給料が高いと言われる属性の平均年収です
パターン③:事業会社から28歳でコンサルに転職(平均年収1,300万円)
パターン③は、事業会社からコンサルへの転職バージョンです。
コンサルへ転職したあと、独立したりスタートアップ企業へ転職等様々なパターンが想定されますが、そこまでいくとピンキリなのでBig4へ転職後定年までなんとか過ごすパターンです。
40歳でシニアマネージャーになり、48歳でパートナーになる想定です。
最高年収は54歳で2200万としています。
パートナーの年収もピンキリですが、比較対象の事業会社は役員等までいくことを想定していないので、これくらいの昇進スピードが比較として良いと考えました
パターン④:新卒から定年までBig4(平均年収1.700万円)
パターン④は、新卒でBig4に入り、そのまま定年を迎えるパターンです。
45歳で年収2200万円のシニアパートナーになり、そのまま定年まで年収を維持する想定です
ちょっと無理がありますね、、、
次に比較に当たり定めた前提条件を説明します
比較の前提条件
比較を実施するにあたり、次の前提条件を設定しました。
・定年:60歳
・年金受給開始:65歳から
・寿命:81歳(男性の平均寿命)
・年金納付期間:38年間(22歳から60歳まで)
・確定給付企業年金:事業会社のみ考慮する
事業会社の場合、一般的な大企業を想定しているため、退職金、確定給付企業年金を考慮に入れています。
・確定拠出企業年金:事業会社、コンサルともに考慮なし
コンサルで多く導入されていますが、最近は大企業でも多くの導入実績があります。
また、確定拠出企業年金は、従業員が月々の給料として受け取るか年金として運用するかを選択できることもあり、今回は考慮対象外です
比較結果詳細
改め比較結果を再掲します。
その後、計算にあたり留意したポイントを説明します。
最後に、すべての計算結果の明細をご紹介します。
単位:万円
サプライズのない結果が出ました。
パターン①だけ年収900万を切っていることから所得税率が23%で、他のパターンは33%なんですよね。
もっと、パターン①が善戦するかと思ったのですが、難しかったようです。
パターン②の平均年収1200万とパターン③の平均年収1300万の生涯年収が逆転していますが、その差は2千万程度であまり差が出ずって感じです。
一方で、パターン④は大成功例として横に置いといて、一般的にありえると想定したパターン③も、最終的にシニアパートナーにたどり着いて、年収2200万のまま定年を迎えることを想定しているので、Big4への転職パターンとしては超絶勝組のパターンで少数派だとは思います
日本の大企業とコンサルの年収を比較する際の考慮ポイント
コンサルは年収が高い割に福利厚生が悪いと言われています。
住宅手当や扶養手当等の各種手当がないので、一概に年収だけで比較が難しいです。
さらに、コンサルにはない確定給付企業年金や退職金を含めるとより比較が難しくなってきます。
今回は、比較の際のポイントをご紹介します。
<退職金>
退職金は、コンサルでは雀の涙ほどしか貰えませんが日本の大企業では平均2000万を超えます。
しかも、会社に勤める期間が長いと税金の控除も効くため、税金がかなり安くなります。
<確定給付企業年金>
確定給付企業年金は、最近は減ってきておりますが大企業は健在です。
死ぬまで一定額が支払われるため長生きすればするほどインパクトが大きいです。
だいたい毎年90万から130万程度貰えるため、老後の安心感は半端ないですね。
年間90万を65歳から平均寿命の81歳まで受給すれば1440万を受給できます。
退職金と合わせて4440万コンサルより多くもらえます。
コンサルに転職した後の想定年収を計算するさいは、この4400万を転職して手に入れられるかも参考になるのではないでしょうか
比較結果詳細(超詳細)
最後に比較にあたって計算内容の全量をお見せします。
こんか感じで計算していました。
※1 中央労働委員会のデータから作成。大卒・男性・総合職
統計局のデータから作成
※2 中央労働委員会のデータから作成。平均5.4か月分。
※3 所得税は国税局のデータより作成
健康保険料は全国健康保険協会の東京のデータから作成
住民税は杉並区のデータより作成
※4 退職金は国税局のデータより作成
※5 老齢年金は年金機構のデータより作成
年金納付期間(労働期間)は38年間と仮定
確定給付企業年金は、企業年金連合会のデータより作成
※6 22歳から60歳までの38年間
※7 65歳から男性平均寿命81歳までの16年間
最後に
比較結果は以上となります。
皆さんいかがでしたでしょうか?
今回は、比較するためにいろいろと前提条件を固定したり、コンサルの年収パターンに少し無理がありました。
皆さんが自分の会社とコンサルの生涯年収を比較するさいの参考になれば幸いです
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