20代後半、Big4コンサルから総合商社の1角、丸紅への転職体験談です!
転職活動結果概要
・学歴
早慶上智経済 卒
・当時の年齢
20代後半
・職歴
新卒→政府系金融機関→Big4コンサル(Big4・リスクコンサル・シニアコンサルタント)
・転職時の年収
1020万円
・転職検討理由
コンサルタントとしてキャリアアップしていくことに魅力を感じず、また自分がそうなれるイメージが湧かなかったことと、きちんと手当がつく形で海外駐在したかったことの2点
丸紅の転職体験談
選考結果概要
・選考結果
内定
・オファー年収
1200万円
・オファー年収内訳
基本給(45)+平均時間の残業代で55万/月+ボーナスが12~15か月分。
※コンサルのようにみなしではない。
・採用部門
電力事業部
・採用職階
総合職
・選考フロー
書類→Webテスト→面接(3回)
適正検査
・種類
Webテスト:玉手箱
・対策
【玉手箱・C-GAB編】 これが本当のWebテストだ! (1) 202x年度版を1週
これで対策しよう!
一次面接
・面接方法
WEB面接
・面接官
課長 2名
1人は穏やかそうな眼鏡をかけた方、1人は証券マンのような髪型・視線の鋭さが特徴的なゴリゴリの商売人という雰囲気の方
・面接の流れ
自己紹介(2分)→一般質問(40分)→クロージング・他社の選考状況確認(3分) 計50分
一般質問
今リスクコンサルをやっているのになぜ電力事業を受けようとしているのか
前職(政府機関)でインフラファイナンスや海外へのインフラ営業の仕事をしており、その中で発電所案件の経験が最も多いため。また、リスクコンサルに転職したのはある事情があり仕事上の制約があったためで、その制約がないフリーな状態であれば、海外を飛び回りビジネスを創り出すダイナミックな仕事がしたいため。
(職務経歴上、リスクコンサルから商社のフロント部門への転職はかなり突飛に見えるので、ほぼ毎回聞かれます。これは回答を完全に用意できるので、ある意味ボーナス問題です)
リスクコンサルの経験を活かして丸紅の電力部門で何ができるか
リスク管理=経営管理の一旦を経験しているともいえ、特に投資・事業経営会社と化している現代の総合商社の総合職にとって、その経験は大いに活きると考えている。例えば、新たに買収した海外子会社に対するガバナンス・リスク・コンプライアンス態勢の整備や、本社におけるグループ情報セキュリティガバナンス高度化支援の経験は、電力事業部で新たに会社を立ち上げ/買収する際に活かせると考えている。
(実際、海外子会社のPMIに関わった経験をみて、面接官は「良い経験をしているね」という反応でした)
事情があるのはわかったがなぜ政府機関からBig4に転職したのか
労働時間・場所の制約がある中でも、リモートワークが比較的容易なコンサルで、その中でも激務度の低い部署であれば、働き続けられると思ったから。また、可能であれば単なる事務作業的な仕事ではなく、専門性のある、手に職をつけられる場所で働きたかったから
(コンサル=激務のイメージがあるので素直に受け取ってくれるか不安でしたが、リスク管理コンサルにそのイメージはないのか、この点を深堀されることは他社含めて一度もなかったです)
あなたの強み・弱みは何か
ハードスキルとソフトスキルとある。
・ソフトスキルの強みは、どんな仕事もすぐにキャッチアップする能力。
弱みはドライになりきれないところだと思う。コンサルではクライアントファーストで行動するため、時にはスコープを縮小させ一緒に働いてきたPJメンバーを外す、あるクライアントとウマが合わなくてもより上位者の命に従う、というシーンがあるが、まだ躊躇なくそういった選択ができない自分がおり、上司に指摘されたことがある
・ハードスキルについては、インフラ輸出・ファイナンスという政府機関での仕事から、リスクコンサルに転身した際、約2年で内部統制や情報セキュリティの高度な資格を取得し、すぐに専門家として活躍することができている。
電力ビジネスといっても幅広いが、何がしたいのか
例えば電力会社、プラント会社、金融機関といった別のアクターもいるとは思うが、私は商社の「AからZまでの商流を作る」機能に魅力を感じている。すなわち、有望な案件を発掘し、燃料の調達経路、発電所の仕様、エンドユーザーへの売電価格まで、どうすればビジネスとして成り立つかをバリューチェーン全体にわたり精査し、上記のアクターも巻き込んで事業をオーガナイズしていく仕事をやりたいと考えている。
(もちろん全てを一人で仕切れるわけではないので、長い商社マンライフの中でそれぞれのフェーズに関わりたい、と付け加え、ジョブホッピングしないこともついでにアピールしたところ、好印象でした)
海外駐在は大丈夫か
望むところです!
(強気に答えたところ、そういう人が欲しいですねと笑顔で返してくれました)
あなたの電力案件で挙げた一番の成果を教えてほしい
数百億円規模の発電所ファイナンス案件の営業を海外政府に対して行い、ファイナンス契約までもっていったこと。
(更問として、一人でやったわけではないと思うが、あなたはどんな役割を果たしたかと聞かれたため、①現地駐在員として現地の政府高官との信頼関係を築いたこと、②現地政府高官から直接日本大使館に申し入れることで霞が関の省庁にも本気度を伝えること、③現地の商社と情報交換し自分自身が赴任国の電力セクター事情・電力ビジネスにおいて重要な情報を把握しておくことで、将来の応札者である日本企業に対する押さえどころを把握するとともに確かな知見をもって相手国政府にプレゼンしたこと、④本部のデューデリをハンズオン支援し審査の効率化・迅速化を支援したことの4点を挙げました)
他にどんな会社を受けているのか
プラント会社、電力会社、金融機関を受けていると答えていました(100%正直ベースではなく、実は別商社のDX部門も受けていましたが、一貫した軸として成立しないと思い、電力関連の会社についてのみ言及しました)
ファイナンスの知識はどれほどあるのか
プロジェクトファイナンスは1件審査に関わったことがあり、その際はFA会社との折衝や感度分析、社会環境影響評価を行っていたので、大きな流れはわかっていると回答しました。
(ここでいう「ファイナンス」は、電力IPP事業で求められるファイナンス知識、という意味だと考え、それに近い経験を回答しました。1件でもやったことあるなら勘所はわかるからいいね、という反応だったので、正しいレスポンスだったと思います)
面接を終えての所感
最初は、インフラ輸出経験が約3年、リスクコンサル経験が約4年という中で、あえて電力事業に応募してきたことを疑問に思っていた様子でした。
ただ、一つ一つの質問に対してのリアクションがかなりわかりやすく、好印象な回答だったんだろうなと思うことが多かったので、恐らく通過しているだろうなと思いましたす
二次面接
・面接方法
対面
・面接官
次長および課長、合わせて5名
①1次面接でも出てきたゴリゴリ系の方
②企画部門にいらっしゃるインテリ切れ者風の方
③人事課にいらっしゃるノリの軽い長身細見の方
(①~③が課長級の方)
④50代くらいで物腰柔らかい方
⑤50代くらいで真面目で神経質そうな方
(④~⑤は複数の課を見ている次長級の方)
・面接の流れ
自己紹介(5分)→一般質問(30分) 計35分
全体を通して、1体5で矢継ぎ早に質問が飛んでくるためかなり緊張感があった。個別質問とそれに対する回答は以下の通り
なぜ早稲田政経を選んだのか
高校は偏差値50未満のあまり進学には積極的ではない学校であったため、できるだけ偏差値の高い大学・学部に合格して、高校の評判を上げようと思った。実際、私の卒業した年だけ進学実績が異様なことになっている。 それに加えて、当初は医師を目指し医学部を志していたが、その夢が高校3年になって潰えたために、当時はあまり明確な目標がなく、そうであればつぶしが利く学部をと思い社会科学系の学部にした。
(予想していた回答とはかなり違うはずで評価が落ちるかなとも思いましたが、環境に惑わされず高いゴールを達成できる人、という印象を与えられるかもと思い、思い切って正直に答えました)
大学時代はどんな勉強をしたのか。それはなぜか
医学ではないが人助けに関わりたいと思っていたので、途上国支援はかなり早い段階で選択肢にあった。そのため、東南アジアや東欧などをめぐりリサーチやインターンを行った。(グローバルな視野、社会への意識の高さを説明したいと思いました)
※具体的に何をやっていたか深堀されたため、リサーチの内容(移民を対象としたアイデンティティ意識の調査)やインターンの職務内容(農村開発・マーケティング)についても説明しました
なぜXX語(日英以外の第三言語)を話せるのか
当時付き合っていた彼女がXX語を母語にしていたことや、留学経験が理由です
人生において大切にしている価値観は
「自分以外皆教師」だと本気で思っています。常に謙虚に、周囲から学ぶ姿勢を忘れずにいることが、人生を楽しくする秘訣だと思っています
それってどういうこと?
人間の幸福度は、良好な人間関係によって決まると言われています。自分が相手に対して謙虚さとリスペクトを持って、相手から学ぶ姿勢、相手と一緒に学ぶ姿勢を見せ続けることは、自分が周囲に敵を作らず、様々な人と仲良くでき、色々な人から頼られることに繋がっていると思うし、そのような状態でいることを幸せだと感じています、と答えました。(商社ではマルチステークホルダーマネジメントが求められるので、それともつながると思います)
入社後どんな案件にどんな立場に関わりたいか
海外での電力案件のデューデリジェンス~契約交渉に関わりたい。(私はまず、電力案件にまつわる技術・財務・法務・税務など基礎的な知識を押さえる必要があると感じたので、それができそうな業務、という観点で説明をしたところ、納得していただけました)
今後の電力事業のトレンドについて意見を聞かせてほしい
グリーントランスフォーメーションが最大のテーマであると思う。そのために、CCUS、再エネ、マイクログリッド案件を増やしていく必要がある。(丸紅が奄美大島で手掛けている事業なども引き合いにだして説明したところ、好印象でした)
政府機関に戻ろうとは思わないのか
思わない。私は政府機関の中でも、インフラ輸出・営業というビジネス寄りのポジションにいたが、それが非常に楽しく、そのほうが合っていると感じている。
(実際は待遇や出戻りに対する抵抗感もあるのですが、あくまで仕事内容が魅力的、という線で通しました)
面接を終えての所感
大半がまるで新卒の面接のような質問だったので、かなり面喰らいましたが、新卒の際に総合商社を受けていた経験が役に立ったと思います。商社マンは、グローバルな意識、社会にインパクトを与えるという視座の高さ、行動力・リーダーシップのある人を好むので、そういう人であることがアピールできるようにするといいのではと思います。
三次面接
・面接方法
対面
・面接官
部長(執行役員)、人事部の中途採用責任者(次長or課長) 2名
部長は巧みなユーモアとロジカルな話し口で相手を自分のペースに巻き込むのが上手い方、人事の方は腰が低く口調も柔らかい方
・面接の流れ
自己紹介(2分)→一般質問(20分)→逆質問(8分) 計30分
なぜ丸紅の電力部門を志望するのか
商社の中でも伝統があり事業規模もトップクラスであるから。それに加えて、尊敬する学校の先輩が働いており人間的にも尊敬できる方が多いと先輩を通じて聞いており、これまでの面接でも人柄の良い方が多いと感じたから
どのようなキャリアを歩みたいか。20年くらいの単位で教えてほしい
まずは基礎知識を身に着けるために、契約交渉やデューデリ、ファイナンスアレンジの部分で補佐的な業務をしたい。独り立ちした後は、海外に駐在し営業や新規案件開拓、既往案件の進捗管理などをローカルスタッフをマネジメントしながら行っていきたい。また、私はリスク管理コンサルとしての経験も持っているので、部門内のリスク管理チームや営業企画チームにおいて、事業の方針決めに関わる仕事もしたい。最終的には、本社の事業管理、リスク管理部門の長や、海外子会社の経営層として、稼ぐ仕組み・リスク管理の仕組み、両方を構築できる人材になりたい。(商社の求める人材=営業のプロではなく経営人材である、ということを念頭に置いて話しました。是非そのようなキャリアを歩んでくださいと言われたので、好印象だったのだと思います)
あなたを仕事を通して何を実現したいか、社会に何をもたらしたいか
仕事は自己実現の手段だと思っている。私は仕事を通して、世界の人々が同じように自分がやりたいことを叶えていく手助けがしたい。例えば、電力インフラがないことで情報アクセスが制限されている人たちを、電力普及率を向上させることで減らしていきたい。(役員から、ビジネスとして成立させるために売電価格を上げないといけないなど、葛藤もあるが大丈夫か?と聞かれましたが、その際にはたとえコストが上がったとしても、電力があることで新たに生まれるビジネスがあり、それがもたらす付加価値によって経済のパイ自体が成長していくと思う、と回答しました)
今までの面接を通して、会社にどんな印象を抱いたか
真面目で実直な方が多い会社だという印象を抱いた。よく丸紅は他商社と比べて人数が少ない分、裁量が大きい/チャレンジする風土があると言われるが、電力部門に関して言えば、きわめてチームワークがしっかりしており、粒の大きなビジネスをしている部門ならではだと感じた、と正直ベースで答えました。(頷いていたので、筋悪な答えではなかったのだと思います)
丸紅の志望度は。なぜベストな選択だと思うのか
第一位です。なぜなら、電力ビジネスへの関わりかたとして、商社の商流全体に関わる、というあり方が一番面白いと思うからです、と回答しました。(他の五大商社では、DXやIT系の部門を受けており、そのことは丸紅には隠していました。よって、プラント会社や電力会社など、他の電力事業に関わる会社との対比で説明しています)
逆質問
中途採用社員のキャリアパスについて教えてほしい
原則電力本部内で国内外をローテーションする。電力関連の国内外関係会社への出向もあり得る
今後力を入れたい地域・分野を教えてほしい
GXを大きなテーマとして掲げているので国内では洋上風力、海外では太陽光を積極的に売っていきたい
商社の伝統的ビジネスである「電力」部門でなぜ中途採用を雇う必要があるのか
電力部門でもデジタルに強い人材、リスク管理に強い人材など様々なタレントが必要だが、全てを新卒社員で賄うことは難しいため
面接を終えての所感
役員の方と逆質問の際に話が盛り上がり、私のことを「新卒にはないエッジを持った人材」と見なしてくれたようだったので、通過したのかな、と感じました。
転職活動を終えての所感
中途採用の年齢層・年収について
総合商社に関しては、20後半~34くらいまでが転職で採用されるボリュームゾーンらしい(特に三菱・三井)、転職エージェントは総合商社に特化した会社があるのでそこがおすすめ、難しい質問はないが人生経験を深堀されるのが印象的だった、年収に関しては商社の場合前職の待遇ではなく年次で決まるのであまり交渉の余地はないように感じた(まあそもそもコンサルより高いので文句は出ないのですが・・)
各採用フェーズについて
【書類選考】
書類選考に非常に時間がかかり、Webテストの案内まで2か月ほど待たされた。
三菱・三井に関しては、新卒と同じような定期採用のプロセスを中途でもやっているので、そのようなことはないが、他の総合商社に関してはあり得る。
※私自身は三菱はタイミングが合わず受けていないので、三井に関しては少なくとも公示されたスケジュールより大幅に遅れることはなかった。
【Webテスト】
オーソドックスな玉手箱だったと思いますので参考書を1冊解けば問題ないと思います。
【面接】
1次面接~3次面接まで原則本社で実施するが、海外駐在中等事情がある場合はオンライン実施が可能。
1次面接:私は事情がありオンラインで実施。面接官は課長クラス2名(どちらも男性)で、自分の実務経験や丸紅の業務にどう活かせるかをメインで聞かれた。特に答えにくい質問はなかったので、転職先の業務内容を理解し、自分の経験がきちんと棚卸できていれば対応可能だと思う。
2次面接:竹橋の本社にて対面で実施。5人面接官が出てきて驚いた。次長級+課長級で、電力本部内のフロント(事業課)、ミドル(企画課)、バック(人事課)からそれぞれ1~2名が出席しているようだった。
内容として、自分の今まで歩んできた人生や価値観に対する質問が多く、丸紅という会社とのカルチャーフィットを見られているように感じた。また、今後の電力事業のトレンドは?など、自分の興味関心レベルも測られていた。
3次面接:最終面接のため、執行役員・部長級の方と人事部門の責任者の2名と面接した。丸紅に入って歩みたいキャリアパスや、長期的にどんな価値を社会にもたらしたいか、あなたにとって仕事とは何か、等をメインで聞かれ、中長期的な職業観・ビジョンが問われているように感じた。
また、3次にて初めて逆質問の時間があり、今後の戦略や中途社員のキャリアパス、中途採用の狙いについて確認した。
これから挑戦する方へのアドバイス
中途採用では、ポジションのある・ないがあるので、なぜ他の総合商社でないのか?という質問は私の場合聞かれなかった。
そのため、基本的にはどのポジションに応募するにしても、求められている要件や仕事のイメージをクリアにし、自分の経験や強みと結び付けて説明できれば、面接は乗り切れると思う。
ただ、新卒で商社を受けていたので私は慣れていたが、人生観の深堀(なぜその学部にしたか、卒論はなぜそのテーマにしたか、等)は、商社以外の業界だとレアかもしれないので、中途で初めて商社を受ける場合ある程度準備が必要だと思う。
転職体験談のご提供依頼(謝礼有)
コンサルティングファームや総合商社の中途採用面接を受けられた方に転職体験談の提供依頼をしています
謝礼(500円から2000円)を用意しておりますのでぜひ、ご協力をお願いできないでしょうか
ご協力いただける方は次のページからご回答をお願いします。
解説:Big4、アクセンチュアのその他情報について
・Big4やアクセンチュアの給料や組織についての紹介
・その他転職体験談
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